鍛造

金属を叩いて成形する加工方法を鍛造と呼びます。

ハンマーやプレス機を用いて金属を叩くことで、内部の空気の隙間をなくし、結晶を微細化して方向を整えることができ、介在物も除去することができるので、強度が高くなります。

鍛造には以下の通りメリットがあります。

１．強度が高い。

叩くことで材料の粒子が微細化されて大きさも均一化されるため、強度が高くなります。

２．材料費の削減につながる。

製品の完成形に近い形状に加工するため、切削する量が少なくなります。

３．大量生産が可能。

型を使用することで同じ形状の製品を大量生産することができます。

 

鍛造は加工温度と加工方法により以下の通り分類されます。

［加工温度］

１．熱間鍛造

約1000～1200℃の高温に熱した材料をプレス金型成形することで強度と靭性を高めます。

高温で柔らかくした材料を鍛造するため、複雑な形状の製品を成形することができます。

２．冷間鍛造

材料に熱を加えずに常温で圧力を加え成形します。

熱間と比較し、成形時の寸法精度が高くなり、表面も良好になります。

 

［加工方法］

１．自由鍛造

平らな工具を使用し材料を潰して加工します。

初期投資がかかりませんが、加工に時間がかかり、大量生産することが難しいです。

又、複雑な部品の製造には適していません。

２．型鍛造

金型を使用して材料に圧力をかけて成形し、同一形状の製品の大量生産に向いています。

自由鍛造よりも寸法精度が高く、複雑な形状の製品を効率よく作ることができます。

３．リングローリング鍛造

型と材料の両方、もしくは一方を回転させながら成形します。

内径、外径、高さ方向から複数のロールを当て回転させながら成形することで筒状の鍛造品を成形することができます。