耐熱鋳鋼およびステンレス鋳鋼

製品情報

トレー

重量:10.00kg 材質:SCH13

クーリングリフト

重量:4.10kg 材質:SCH13

ラセン羽

重量:9.00kg 材質:SCH22

耐熱鋳鋼

SCHではじまる記号は、耐熱鋼の鋳造品であることを示す材料記号です。高温環境では、常温で強度のある材料も大幅に物性が低下したり、もろくなったりします。様々な工業材料の中でも金属はセラミックスほどではないにしろ比較的熱には強い材料と言えますが、それでも600℃を超える温度になると使うことができる鋼材は限られてきます。

耐熱鋼はその名のとおり、こうした高温下で使われることが想定された材料で、JISで規格にもなっています。この規格は、耐熱鋼と耐熱合金の鋳物材料について規定したものです。

実用上は、JISに存在しない各メーカー独自の耐熱鋼もあり、用途によっては活躍しています。耐熱鋼の名称がつくものは、通常、650℃以上の環境下で使われます。熱に強い部類である鉄鋼材料の中でも、ステンレス鋼が概ね480℃以下で使われることを考えると、それよりもさらに耐熱性に特化した鋼材であると言えます。こうした特性を引き出すため、耐熱鋼の成分やステンレスよりもクロムやニッケルといった成分が多く、炭素含有比率も高めになっています。

ただ、耐熱鋼もどのような温度であっても万能というわけではなく、高温での強度の低下や脆化(もろくなる)の度合いが比較的緩やかであるということであって、劣化や強度低下が起きないわけではありません。それでも繰り返しの加熱に耐えられる温度が他の鋼材に比べると高いといえます。高いものでは1100℃以下であれば耐熱性を発揮し続けるもの、1000℃以下のもの、750℃以下のもの等いずれも高温での使用が想定されています。

鋳鋼品であるSCH材が通常の耐熱鋼と違う点といえば、そのすべてのグレードで少量のモリブデンが成分上あってもよいというもので、この元素は高温での金属結晶粒の粗大化を防ぐ効果を持つほか、高温での軟化抵抗に寄与します。

参照「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト www.toshi.info

ステンレス鋼鋳鋼品

SCSは英文表記のSteel Casting Stainlessの頭文字からきたもので、そのままステンレス鋳鋼品を意味します。鋳鋼は鋳造というハガネの製法で作られたもので、一言でいうなら「ハガネを溶かして固めたもの」です。SCSはステンレスの一種で、製法が鋳造によるもの、ということが言えます。したがってステンレス鋼であるSUSとも一部のSCSは対応関係にあります。SCSはJIS規格の上では、成分と引張強さ、耐力、伸び、絞り、硬さ、熱処理条件が規定されています。SCSの特長は、鋳鋼品の全般的特長とも一部被りますが、機械加工が困難であったり、コスト的に難しい部位に適用可能な点、材質が選びやすく、大量生産が可能な点等を大きな強みとしています。複雑形状のため削りだしや鍛造では加工が難しい製品や部位で特に重宝されている鋼材です。

参照「砥石」と「研削・研磨」の総合情報サイト www.toshi.info

弊社取扱可能 ステンレス鋼鋳鋼品

化学成分

種類の記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo
SCS13 0.08以下 2.00以下 2.00以下 0.040以下 0.040以下 8.00~11.00 18.00~21.00
SCS14 0.08以下 2.00以下 2.00以下 0.040以下 0.040以下 10.00~14.00 17.00~20.00 2.00~3.00

機械的性質

種類の記号 耐力 N/mm² 引張強さ N/mm² 伸び% 硬さHB
SCS13 185以上 440以上 30以上 183以下
SCS14 185以上 440以上 28以上 183以下